高田屋嘉兵衛の顕彰活動 カムチャツカのカヘイ峰
カムチャツカのカヘイ峰

2006年は、ゴロヴニン副提督とリコルド提督の生誕230周年にあたりますが、カムチャツカ州政府はロシア地理学会の発案を受けて、重要な決定を下すに至りました。すなわち、ナリチェボ自然公園内にある無名の山 にその三人の名前をつけるという内容です。
昨年私は、スタロジロヴォ(Старожилово)市におけるゴロヴニンのモニュメントの竣工について、レポートを書きました。その中でロシア地理学会に、「事件を後世に伝え、ここに友好の証を刻みたい」として、カムチャツカの無名の山にゴロヴニン、リコルド、高田屋嘉兵衛の名前を付けるよう、州政府に要請するよう求めたのです。同様に、私はサンクト・ペテルブルグの貴族会にレポートを書き、カムチャツカ州政府に対しても同様の依頼文を発送致しました。「ナリチェボ自然公園」の支配人がこうした手紙を受け取り、協議の結果、公園内にある無名の山に3人の名を付けることを決定したのです。
ナリチェボ自然公園は、1996年にUNESCO世界遺産にも登録された美しい公園です。カヘイ峰(скала кахей)」はゴロヴニン山の岩の突起群で、北緯53度34分50秒、東経158度45分23秒に位置し、高さは1054mあります。高名な日本人航海家、高田屋嘉兵衛の名前がロシアの地図の上にあらわれるのは、史上はじめてのことです。

ピョートル・ゴロヴニン
2007年7月
サンクト・ペテルブルグ